家族信託(民事信託)において、いつ信託を終了させるのかということも重要なポイントになってきます。
信託の終了事由は、下記のように信託法において定められていますが、信託行為の中で「委託者が死亡した時」「信託財産が消滅した時」「受託者と受益者が合意した時」など、当事者の状況に応じて信託がいつ終了するのかを定めることが通常です。
(信託の終了事由)
信託法第163条
① 信託の目的を達成したとき、または目的を達成できなくなったとき
② 受託者が受益権の全部を固有財産で有する状態が1年間継続したとき
③ 受託者が欠けた場合であって、新受託者が就任しない状態が1年間継続したとき
④ 受託者が財産管理に要する費用の償還等を信託財産から受けられないことにより信託を終了させたとき
⑤ 信託が併合(2つ以上の信託の信託財産を1つの信託財産とすること)されたとき
⑥ 信託を終了することを命ずる裁判があったとき
⑦ 信託財産ついて破産手続きの開始決定があったとき
⑧ 委託者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定を受けた場合で、
一定の法律の規定により信託契約の解除がされたとき
⑨ 信託行為において定めた事由が生じたとき
(委託者及び受益者の合意等による信託の終了)
信託法第164条
委託者及び受益者は、いつでも、その合意により、信託を終了することができる。
2 委託者及び受益者が受託者に不利な時期に信託を終了したときは、委託者及び受益者は、受託者の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
3 前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
4 委託者が現に存しない場合には、第一項及び第二項の規定は、適用しない。
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