活用事例

子供のための家族信託
子供のための家族信託

子供のための財産保全・浪費・名義預金対策

事例

A(50歳)には、妻(50歳)と長男B(16歳)、次男C(14歳)がいます。

家系図

Aは資産家というわけではありませんが、将来、相続税がかかる程度の資産(預貯金等)を有しています。

Aは、子供の将来のため、そして相続税対策も含めて、今のうちから子供へ財産を生前贈与することを考えていますが、できれば子供には知られないようにやりたいと思っています。
しかし、名義預金(※)として税務署から指摘されることを心配しています。

また、Aは生前贈与した財産について、子供が管理すると浪費してしまいそうなので、少なくとも子供2人が結婚するくらいまでは妻に管理してほしいと考えています。

※親が子供のために、子供名義の口座にちょっとずつお金を入れて管理しているような 場合に、親が死亡した時に税務署から「子供名義の口座だけど、実質は親が管理してるし、子供は口座の存在を知らないようだし、この預金口座は親の財産だね。」というこ とで、当該子供名義の預金口座も親の相続財産として相続税の課税対象になってしま う恐れがあります。これを「名義預金」問題と言います。

家族信託(民事信託)の活用

信託契約
信託契約

Aと妻で信託契約を2本締結します。

1つ目は長男Bのため、2つ目は次男Cのための信託契約です。
(契約を1本にまとめて行うことも可能ですが、法的構成をシンプルにするためにこの事例では2本の契約で行っています。)
本件の信託のような場合、信託を設定した現金が信託財産であることを明確にする必要があるので、信託口口座を作成することがベターです。
金融機関で信託口口座を作成するには信託契約を「公正証書」で作成する必要があるので、本件の2つの契約も公正証書で作成することが必要です。

また、本件信託の①及び②は、委託者と受益者が異なるので、それぞれ信託設定時点で贈与税の問題が出てきます。(税務上は受益者が信託財産を有していると考えるので、Aから受益者(長男B・次男C)へ贈与をしたとみなされます。)
一度に多額の金額を贈与すると、贈与税が多くかかってしまうので、信託契約の中で毎月一定額贈与するような設定にすることも可能ですし、贈与税がかからない範囲で贈与する等の対策も取ることが可能です。(税務部分は税理士を交えて対策をします。)
なお、信託契約は委託者と受託者で行うため、受益者(長男B・次男C)に知られずに生前贈与を実現することができます。

また、仮に、Aの判断能力が低下しても、妻は受託者として自己の判断で信託財産を管理・処分することができます。

信託の終了時期としては、長男Bと次男Cが財産をしっかりと管理できるという時期がいいので、2人がそれぞれ結婚した時ということで設定してあります。

【補足説明】

①本件信託スキームは、自己信託(委託者A・受託者A)で実現することも可能です。
「委託者A、受託者A、受益者C・B」という形で信託を設定します。
これは自己信託と呼ばれる信託行為でAのみで行うものなので、上記の事例と同じような効果(子供に知られずに贈与するけれども、管理は自分でする。)を生み出すことが可能です。
但し、Aが認知症になった場合には信託事務が停滞してしまうので、認知症対策も兼ねる場合には本事例のスキームの方が適していると言えます。

②信託財産に関しては信託の中で管理・承継するのでいいですが、それ以外のAの固有財産に関してはAの判断能力が低下(認知症など)してしまうと実質凍結してしまいます。それを想定して遺言書の作成や、成年後見制度の検討もする必要があるかと思います。

③妻が受託者としての信託事務に不安があるような場合などには、信託監督人や受益者代理人の設置も検討するといいでしょう。

対応エリア
対応エリア
  • 東京都
    町田市、八王子市、多摩市、稲城市、立川市、府中市、狛江市、調布市、日野市、昭島市、福生市、武蔵村山市、青梅市、あきる野市、羽村市、三鷹市、武蔵野市、西東京市、国立市、国分寺市、小金井市、小平市、東大和市、東久留米市、東村山市、その他23区全域
  • 神奈川県
    相模原市(緑区、中央区、南区)、厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、横浜市、川崎市、愛川町、清川村、平塚市、藤沢市、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市、寒川町、大磯町、二宮町、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町、小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町
  • その他関東近郊(山梨県、埼玉県、千葉県 他)