活用事例

財産管理対策
財産管理対策

高齢者の財産管理対策

事例

A(70歳)は、夫に先立たれ一人暮らしをしています。
子供は2人(長男B46歳・次男C42歳)いますが、それぞれ独立して家庭を持っています。

家系図

Aは多くの資産を保有していて、自分で管理していましたが、最近、判断能力に問題はないものの、体の不調があり、財産の管理・処分(各種契約等)が億劫になってきました。
また、将来的に資産を処分することもしたいのですが、今の状態では難しいと感じています。

幸いにも、長男Bが近くに暮らしていて、Aのことを気にかけてくれているため、Aは、今の生活を維持したまま、信頼のできる長男Bに財産管理などを任せたいと考えています。

次男Cは少し遠方で暮らしていますが、長男Bに財産管理を任せることで賛成してくれています。また、できるだけ協力できることはしていきたいと言ってくれています。

家族信託(民事信託)の活用

信託契約

Aと長男Bで信託契約を締結します。
Aは委託者兼受益者となるため、信託財産から生じる利益を受益者として享受することができます。
また、Aは今までの生活を変えないことを希望していますので、必要に応じて信託財産の中からお小遣いをもらうように設定しておくことで、Aは買い物や食事等の娯楽も今までと同じようにすることができます。

長男Bは、受託者として信託財産の管理をします。
不動産は、受託者である長男B名義に登記(信託及び所有権移転登記)されることになりますので、長男Bは信託の目的に従い不動産を処分(売買、担保権の設定)することも可能になります。
なお、これは信託財産を管理処分する者として「受託者 長男B」と形式的に登記されるのであって、“所有者”として登記されるわけではありません。 (『信託登記簿例』をご覧ください。)

また、長男Bは受託者として信託財産を管理するので、その手間賃として、受託者の信託報酬を検討してもいいかもしれません。
信託報酬は、信託契約の中で自由に設定(無報酬、月〇〇円など)することができます。

信託の終了時期としては、Aが死亡した時と設定しておきます。
本件信託は、Aの財産管理・処分が主目的なので、Aが死亡したら信託を終了させ、残った信託財産(残余財産)に関しては、長男Bと次男Cに帰属するようにします。(遺言代用信託)

【補足説明】

①本件信託スキームは自益信託(委託者と受益者が同じ)なので、信託設定時には税金は発生しません。
但し、信託が終了して長男Bと次男Cに残余財産が承継される時には、相続税の課税対象となります。

②Aは所有財産を全て信託財産にする必要はなく、どの財産を信託に組み入れるかを自由に決めることができます。
長男Bに管理してほしいものだけを信託財産に組み入れて、それ以外の財産は自分で引続き管理・処分していくことも可能です。
その場合、信託財産に入れなかった財産については、別途遺言で対策することも検討しなければいけません。

③信託財産に関しては信託の中で管理・承継するのでいいですが、それ以外の信託に組み入れなかった財産に関しては、Aが認知症等を発症してしまうと実質凍結してしまいます。
それを想定して遺言書や成年後見の検討もする必要があるかと思います。

④長男Bが信託事務に不安があるような場合などには、信託事務のサポートや受託者の監督機能、そして受益者の権利保護のために、信託監督人や受益者代理人の設置も検討するといいでしょう。

⑤受託者である長男Bが判断能力の低下(認知症など)や、病気等になった場合、信託事務を行う者がいなくなり、信託が停滞してしまします。
受託者不在のまま1年経過すると、信託が強制終了してしまいますので、それに備える意味で次男Cを第二受託者に設定しています。

⑥信託の受託者には身上監護権はないので、委託者の判断能力低下後に、介護施設への入居契約や、各種医療の契約等を行う場合には、成年後見制度を利用する必要があります。

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